整形外科

整形外科の紹介

 九州厚生年金病院整形外科は九州大学整形外科の関連病院で北九州での基幹病院として機能しています。整形外科スタッフは計10人(部長3名、医長3名、医員1名、レジデント3名)です。部長および医長は基本的にそれぞれの専門領域の診療および教育を担当し、医員、レジデントは部長、医長の指導のもと専門的疾患の診療に加え救急、外傷等にも積極的に取り組んでいます。当院では一人一人の患者さんになるべく多くの時間を割けるように外来は新患、再来を分離しいずれも完全予約制となっています。急患はこの限りではありませんが外来診療では原則紹介、予約ありの患者さんが優先されますので紹介、予約のない患者さんは当日診療ができない場合、大変お待たせする場合がありますのでご理解、ご協力をお願いします。

 診療の予約に関しては当院地域連携室にご相談ください。当院ではより高いレベルの診療を目指すため部長、医長の診療は専門領域別になっています。したがって複数の疾患(例えば腰と膝)に関して診療を希望する場合は別々の予約になる場合があり、このような場合は特にかかりつけの先生にご相談いただくことでより適切な予約が行える場合があります。当院は基本的に手術加療を中心とした急性期病院として機能しており、限られたベッドを十分活用しより多くの患者さんに高度な医療を実践するため整形外科では術後早期からのリハビリをすすめ、当院での急性期のリハ終了後は基本的に通院あるいは転院の形で紹介元病院あるいは近隣の病院に逆紹介する病診連携をすすめています。連携施設との情報交換の目的で年4回の整形外科ネットワーク研修会を主催しており、さらに各種学会活動も積極的に行っています。

対応可能な治療

 骨軟部腫瘍以外のあらゆる整形外科疾患を取り扱います。整形外科では毎週20例前後の手術を行っており平成21年の年間手術症例は987件となっています。

整形外科で行われる代表的な手術と症例数(平成22年)手術数合計987例

脊椎疾患 236例
頚椎手術57例
腰部脊柱管狭窄症107例
腰椎椎間板ヘルニア47例                   
脊椎内視鏡手術53例
その他脊髄腫瘍、靭帯骨化、脊柱変形等に対応しています
人工関節置換術 152例
人工股関節置換術74例   
人工膝関節置換術78例
関節鏡手術 主として膝、肩関節110例
関節骨切り術 26例
大腿骨頸部骨折手術 100例

小侵襲手術

 当院では最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery, MIS)をいち早く採用し、骨折や人工関節、脊椎などのさまざまな手術に応用しています。これらの方法のメリットは手術における体への負担や組織へのダメージが格段に少なくなり術後は早期にリハビリテーションを開始することができること、その結果早期社会復帰が可能であることで、高齢者でも早期退院をすすめています。当院では股関節、膝関節に対する骨切り術、脊椎に関しては小侵襲除圧術と、生体の構造をできるだけ温存する手術も積極的に行っており、総合的な視点から手術の適応を考えています。

脊椎疾患

 平成22年の脊椎手術症例数は236例でした。代表的な脊椎疾患である頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアを始め頚椎から腰椎まであらゆる脊椎疾患に対応しており、なかでも特徴は手術用顕微鏡や脊椎内視鏡を用いた小侵襲手術で、神経組織を扱うほとんどすべての手術に顕微鏡あるいは内視鏡を導入しています。この結果手術の安全性が高まることと共に鮮明な視野で最小限の骨軟部組織(身体を支えるために必要な骨、筋や靭帯等の組織)の切除でより確実に神経の圧迫を取り除くこと(除圧)が可能となります。当院では頚椎、腰椎を含むほとんどの脊椎手術症例で手術の翌日から歩行訓練を開始し、術後7-10日前後で退院となります。

 当院は顕微鏡手術、内視鏡手術がともに施行可能な施設であり、特に脊椎内視鏡手術は日本整形外科学会の脊椎内視鏡下手術技術認定医が執刀あるいは指導のもと手術がおこなわれます。実際の手術に際しては疾患の程度や範囲、全身状態、変形の程度を鑑みそれぞれの症例に最も適した方法を選んでいます。内視鏡はもっとも切開が短い(約2cm)ですが、内視鏡で対応できる範囲には一定の限界があり、内視鏡で対応不可能あるいは内視鏡のメリットが発揮できない場合(例えば広い範囲の病変や変形が高度な場合)は顕微鏡で対応します。当院では脊椎内視鏡手術は年間約50例で、それ以外が顕微鏡手術ということになります。

 内視鏡の適応は徐々に拡大してきており、現在では各種の腰椎疾患に加え一部の頚椎手術が内視鏡で行われています。顕微鏡ではほぼすべての脊椎手術が可能です。これらの小侵襲除圧手術で対処できない脊椎の変形や不安定性に対してはインストゥルメント(内固定金属)を用いた手術(固定術)も当院では多く行われています。このような手術(固定術)に関しても筋組織のダメージができるだけ少なく、より早い回復が得られる方法(小侵襲脊椎固定術)を選択施行しています。

内視鏡手術全景

内視鏡手術全景
脊椎内視鏡手術の様子です。
径16mmの管の中の様子が内視鏡によりモニタ(写真右側)に映し出され、その画像を見ながら手術を行ないます。


内視鏡操作部内視鏡操作部
脊椎内視鏡手術の操作部位です。
16mmの管を皮膚から脊椎表面まで置いて、すべての操作をこの管の中で行いますので皮膚の切開は2cm程度となります。


膝関節疾患

 平成22年度は約179例の膝関節手術を行っています。人工膝関節においては通常皮膚切開は8-10cm程度で、吸収性の糸を用いることで通常抜糸もなく、早期退院を実現しています。変形性膝関節症に対する骨切り術は年間約30例を行っており、従来は2-3ヶ月程の入院が必要でしたが当院で開発した新しい内固定金属(Locking Plate)の使用により術後早期に荷重歩行が可能となり1ヶ月程で退院できるようになっています。

HTO術後3ヶ月HTO術後3ヶ月
高位脛骨骨切り術(High Tibial Osteotomy, HTO)術後3ヶ月目のX線です。
強固な内固定を使用し術後早期からの荷重と高い骨癒合率が得られています。


股関節疾患

 当院では股関節疾患に対して様々な手法を駆使して治療にあたっております。治療法には手術を行わない保存的療法と手術療法があり、通常初期には投薬や筋力訓練、リハビリ等で疼痛のコントロールを行う保存療法が行われます。関節に対する手術療法はさらに大きく2種類に分かれます。関節に様々な「骨切り」を加えて関節を安定化させる関節温存術と悪くなった関節を切除して人工物で再建する人工股関節手術です。人工関節は現在世界中で行われている優れた手術で、その成績も安定しており当院でも多くの手術を行っておりますが、人工物である以上一定の制限が存在します。一方、関節温存術は高度な技術と経験、長期のリハビリ期間を要しますが骨や関節を失うことなく股関節機能を回復することができます。将来的に人工関節を受けることもでき、脱臼の心配もない方法です。当院では様々な年齢の、様々な社会的背景を持った患者さんに対して最適な手法を検討して股関節の治療を行っております。

股関節疾患当院で行っている主な股関節の手術


人工関節置換術
人工股関節、表面置換型人工股関節、再置換術


関節温存術
大腿骨頭回転骨切り術(前方・後方)、寛骨臼移動術、キアリー骨盤骨切り術、外反骨切り術、内反骨切り術、臼蓋形成術


肩関節疾患

 内視鏡(関節鏡)を用いた肩関節手術を積極的に行っています。肩関節鏡手術症例数は平成22年度は36例でした。そのうち約7割が上肢を挙上するときに重要な腱板という組織を関節鏡下に修復する鏡視下腱板修復術です。近年、関節鏡の技術的な進歩により、今まで見過ごされてきた疾患(関節唇損傷など)も診断できるようになり、またそのような病変を内視鏡による低侵襲(腱板損傷や習慣性脱臼)で治療できるようになりました。

外傷:近年の高齢化社会に伴い特に高齢者の外傷の増加は著しく、手首、肩、股関節(大腿骨頚部骨折)等の骨折が代表的です。特に下肢の骨折は寝たきりになる大きな原因で、手術により早期に骨折部の安定性を確保し、早くリハビリに入れることが確実な機能回復や高齢者の寝たきりを防ぐために重要と考えています。当院では手術の必要な症例に対しては早期手術、早期リハビリテーションをすすめており、リハスタッフと協力して患者さんの早期離床をすすめています。

今後の方針

 当院の特徴である体に負担の少ない小侵襲手術をさらにすすめていき、患者さんの早期回復、早期社会復帰を目指します。
入院期間の目安
脊椎手術:術後7-9日程度
人工関節置換術:術後2週間程度
膝関節骨切り術:術後3週間程度
股関節骨切り術:術式によってかなり異なります。詳しくは担当医にお尋ねください。
さらに地域医療支援病院として当院でのゴールを明確にし、近隣の病院と協力しながら治療にあたっていきます。

高齢化社会を迎えて

 社会の高齢化に伴い高齢でもアクティブな方は増加しており当院整形外科で手術を受ける方の50%(約半数)が70歳以上、80歳以上の方が約15%を占めます。高齢の方の手術では、病態(原因)がはっきりしていることは当然ながら循環器系等の条件(全身状態)が一定の基準を満たしている必要がありますのですべての方で手術が可能というわけではありません。しかし手術により生活活動度が格段に向上する例も多く、高齢だからといってすべてあきらめる必要はありません。股関節、膝関節の痛みや四肢の運動障害(手の動きが悪くなってきた、歩行できる距離が短くなってきた等)等でお困りの方はぜひご相談ください。

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医師の外来スケジュール

医師の外来スケジュールは、整形外科外来担当医のページをご覧ください。

スタッフの紹介

tuchiya1204.jpg 医師名 土屋 邦喜
役職 部長
専門分野 脊椎・脊髄外科、骨粗鬆症、リウマチ、透析脊椎疾患
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
日本脊椎脊髄病学会指導医
日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術技術認定医(後方2種)
日本整形外科学会認定リウマチ医、脊椎脊髄病医
日本リウマチ財団登録医、日本リウマチ学会リウマチ専門医
出身校名 九州大学(昭和61年卒)
hara1204.jpg 医師名 原 俊彦
役職 リハビリテーション科部長
部長(関節外科・リウマチ担当)兼務
専門分野 股関節外科、外傷、関節リウマチ
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
日本リウマチ学会リウマチ専門医
運動器リハビリテーション学会認定医
日本股関節学会評議員
出身校名 熊本大学(平成3年卒)
医師名 中村 哲郎
役職 医長
専門分野 整形外科一般、手の外科、股関節疾患
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
出身校名 島根大学(平成12年卒)
医師名 矢野 英寿
役職 医長
専門分野 整形外科一般、膝関節疾患
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
出身校名 九州大学(平成13年卒)
医師名 黒瀬 圭
役職 医長
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
出身校名 熊本大学(平成15年卒)
医師名 宿利 知之
役職 医員
医師名 西嶋 達也
役職 フェロー
医師名 橋川 和弘
役職 フェロー
医師名 大塚 洋
役職 レジデント
医師名 河野 紘一郎
役職 レジデント

 

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